稽古場X

文字を書くれんすう

「イチキュッパ」について

’’日経平均、15年ぶり高値 1万9800円’’という記事を見て反射的に「お、キリがいいな」と思ってしまった。
よく考えれば全然キリはよくない。しかしなんとも馴染みのある数字の配列だろうか。所謂「イチキュッパ」というやつである。
あまり気にしたことがないが低い価格帯で良くみるこの数字の並び。198円、1980円、19800円。
調べる所によるとどうやらこれは「端数価格」といわれるソニーがアメリカから持ちこんだ一種の心理作戦のようだ。
例えば200円の商品を198円を売ると消費者は2円得した気になり他の利益の高い商品も一緒に買って店には2円以上戻ってくるという作戦だ。
2円をエサにそれより大きい利益を釣り上げるのだ。
おまけに末尾の8は末広がりで縁起がいい数字だ。なお、アメリカでは1.99ドルのように末尾は9なので8で終わるのは日本オリジナルのようだ。
あと語感のリズムも良く「言いたくなる単語」にもなっている。
実際、人に値段を聞かれて答える時「あー、それイチキュッパだよ。イチキュッパ」と無駄に二回繰り返してしまう。
 
商人のテクニックは恐ろしい。